プラヤデルカルメンはどんな町?
プラヤデルカルメンはカンクンからわずか65kmの距離に位置し、メキシコ有数の観光都市として世界中から多くの観光客が訪れています。また、プラヤデルカルメンの市街地だけでなく、周辺の観光地へのアクセスが良いことも人気の一つです。
本記事ではそんな魅力が詰まっているプラヤデルカルメンやその周辺観光地について詳しくまとめています。プラヤデルカルメンへの観光を考えている、訪れる前にどんな町か知りたい、という方はぜひ参考にしてみてください。
1.概要
a) 歴史
プラヤデルカルメンと呼ばれる前は、マヤ語で「北の水」を意味するXaman Háとして知られていました。1000年から1500年にかけて、マヤ文明はこの地域で繫栄し、マヤ文明の精神的なメッカとなりました。
スペイン征服者が16世紀初頭にこの地域に到達すると、マヤ人口は数十人に減少し、スペインからもたらされた天然痘の流行から逃れた者たちだけが生き残りました。
コロニアル時代になると、「聖母マリアのカルメル礼拝堂」にちなんでプラヤデルカルメンという名前が付けられました。しかし、鉱物の鉱床が不足しており、農地としても適していなかったためあまり注目を浴びていませんでした。
20世紀に入り、漁師、ココヤシの栽培者、ガムの採取者がこの地域に定住し、プラヤデルカルメンの最初の住民となりました。1980年代にはわずか1,500人しか住んでいませんでしたが、観光の発展により急速に成長し、今日では30万人以上の人々が暮らすリゾート都市となりました。
b) 場所
プラヤデルカルメンはメキシコの南東部、カンクンからおよそ65km南に位置する都市です。バスでわずか1時間ほどでアクセスできます。飛行機は日本からの直行便はなく、メキシコシティもしくはアメリカのロサンゼルスやダラス、ヒューストンなどで乗り換えが一般的です。メキシコシティからカンクン国際空港までは空路で2時間半、そこからバスでプラヤデルカルメンに移動します。
周辺にはカンクンだけでなく、トゥルムやマヤの遺跡、サンゴ礁やセノーテなどがあり、プラヤデルカルメンが人気観光地な理由の一つになっています。
c) 気候
メキシコの中でもプラヤデルカルメンは特に晴天率が高い地域です。1年中半袖で過ごせるほど暖かい常夏ですが、11月~3月頃の日が落ちた時間帯は比較的涼しいため夏服に加えて上着が一枚あると便利です。5月から10月にかけては雨季であり、スコールや通り雨が頻繁に発生します。
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
最高気温 | 28°C | 28°C | 30°C | 31°C | 32°C | 32°C | 32°C | 32°C | 31°C | 30°C | 29°C | 28°C |
平均気温 | 22°C | 23°C | 24°C | 26°C | 27°C | 27°C | 27°C | 27°C | 26°C | 26°C | 24°C | 23°C |
最低気温 | 18°C | 18°C | 19°C | 20°C | 22°C | 23°C | 22°C | 22°C | 22°C | 22°C | 20°C | 19°C |
2.観光
a) 市内観光
5thアベニュー(キンタ・アベニーダ)はプラヤデルカルメンのメインストリートで、多くのレストラン、カフェ、ショップ、アートギャラリーが軒を連ねています。お土産を探すのにもうってつけの場所です。夜になると賑やかになり、ディナーやクラブへ向かう人々で賑わいます。特に「ココボンゴ」というクラブには多くのセレブリティーが集まり、メキシコの中でも規模の大きいクラブとなっています。
また、市街地はカリブ海に面しているため、美しいビーチで日光浴や海水浴を楽しむことができます。絵にかいたような透き通った海と白い砂浜が特徴で、ビーチを最大限に楽しむサービスも充実しています。入場料を払って楽しむ「ビーチクラブ」では、パラソルとビーチベッドのもと、のんびりとカリブ海のビーチを満喫できます。昼間にはメキシカンミュージックが流れていたり、日が落ちた時間帯にはキャンドルが灯ったりと、時間帯によって異なる魅力を楽しめます。
b) コスメル島
コスメル島はプラヤデルカルメンの東にある島で、フェリーに乗って40分でアクセスできます。この島は美しい自然環境に恵まれており、ジャングルの中には熱帯植物や野生動物が生息しています。島の内陸部には自然保護区もあり、ハイキングや自然散策が楽しめます。
また、美しいビーチや広大なサンゴ礁で知られ、ダイビング愛好家にとっては聖地と言える場所です。年間を通じて温暖な気候が続くため、年中マリンスポーツが盛り上がっています。コスメル島に訪れたらダイビングとシュノーケリングの体験は必須です。メキシコ国内だけでなく欧米からの人気がとても高く、どのシーズンも観光客で賑わっています。
c) トゥルム
1. トゥルム遺跡 (Tulum Ruins)
紀元前13世紀から15世紀にかけて栄えた古代マヤの港町で、商業や交通の拠点として重要な役割を果たしていました。トゥルムは特に石灰岩の建造物と美しい壁画で知られ、マヤ文明のアートや宗教の特徴を示しています。
トゥルム遺跡は、海の断崖に建つ美しいマヤ文明の遺跡です。遺跡の探索と、その美しい背景に広がるカリブ海の景色を楽しむことができます。隣のビーチも見どころの一つです。
2. パライソ・ビーチ (Playa de Paraiso)
トゥルム遺跡の近くにある美しいパブリック・ビーチで、白い砂浜と透き通った海が広がります。遺跡を見て回った足でそのまま海辺でリラックスをするのも良いですね。
3. グランセノーテ (Gran Cenote)
透明度の高いセノーテで、シュノーケリングやダイビングが楽しめます。セノーテとは、地下の洞窟や溶岩洞穴によって形成される淡水のプールのことを指します。透明度の高い水とサンゴ礁や魚の美しい水中景観で知られ、ダイバーにも大人気の場所です。特に早朝ツアーは透明度が高いと言われており、美しい水中世界を堪能できます。
4. セノーテ・ドスオホス (Cenote Dos Ojos)
トゥルムとプラヤデルカルメンの間に位置し、透明度の高いセノーテで知られています。洞窟水中やダイビングも楽しめます。
5. アズリク (AZULIK)
インスタ映えするエコリゾートで、客室は自然と調和したデザインです。レストラン「KIN TOH」もあり、高級ながら訪れる価値があります。IK LABはアズリクと繋がる美しいギャラリーで、建築やアート好きにおすすめです。
6. ヤーン・ヒーリング・サンクチュアリ (Yaan Healing Sanctuary)
マヤ文明の伝統的な儀式と癒しの実践を提供する場所として知られており、スパとヒーリングによって訪れる人々に身体と精神のリラックス・癒し・再生を提供しています。古代マヤ文明の儀式であるテマスカル(Temazcal)や、リンパマッサージ・ストーンセラピー・ハーバルバスなどを体験することができます。
3.治安
プラヤデルカルメンの観光エリア、特に5thアベニュー(Quinta Avenida)やビーチエリアは、多くの観光客で賑わっています。一般的には治安が良いエリアですが、観光客に対する財布や貴重品の盗難などの軽犯罪が発生することがあります。貴重品は安全な場所に保管し、夜間には暗い場所を避けるようにしましょう。
また、夜間や多くのバー、クラブ、夜遊びの場が賑わいを見せ、それに伴って危険性が高まります。アルコールを摂取した状態での行動には十分注意し、知らない人と一緒に行動することはなるべく避けましょう。外を出歩く際は人目の少ない場所や暗い路地を避け、十分に警戒心を持って行動することが必須です。