メキシコ・グアナファト | なぜ世界遺産の街に?徹底解説

世界遺産に登録されているメキシコのグアナファトへ訪れる予定の方へ

治安の良さやカラフルな街並みだけでとても魅力的な街ですが、なぜ世界遺産に登録されたのか歴史的な背景や現在も残る遺産を知ることでさらに街観光を楽しみましょう!

1,なぜ世界遺産に?

a)銀鉱山と街並み

銀山ツアー

  • 1529 年にこの地域に定住したスペイン人は1548 年にタラスコ語で「カエルの丘」を意味するグアナファトで、銀の豊富な露頭を発見しました。

それ以降、銀鉱山の開山を進めるとともに探鉱者、鉱山労働者、そして新たな入植者を保護するために要塞が建てられます。グアナファトの町の中核であるMarfil、Tepetapa、Santa Ana 、Cerro del Cuarto の4 つの地域は、これによって形成されました。

以下のような情勢の変化もあり、なんと世界の4分の1の銀がこの町から算出されていたとか…!

  • 16世紀~17世紀:現在のボリビアに位置するポトシがスペインを通じてヨーロッパに大量の銀を送る。その後衰退
  • 18世紀:グアナファトの銀鉱山が開山され、急速に都市化が進む。
  • 18世紀~19 世紀:銀鉱山と共生関係を築き、世界有数の銀採掘センターとなる。

このように、グアナファトの街は銀山と共に発展していきました。絵のように美しい「地下道」を含む街路の配置、広場、病院、教会、修道院、宮殿の建設はすべて、この地域の産業の歴史と密接に結びついています。

b)世界遺産の選考基準

世界遺産の登録基準は10項目あり、そのうちのいずれかに当てはまる必要があります。グアナファトの登録基準は以下の4項目です。基準だけ見てもよくわからないので、飛ばし読みで大丈夫です(笑)

i:人間の創造的才能を表す傑作である。

ii:建築、科学技術、記念碑、都市計画、景観設計の発展に重要な影響を与えた、ある期間にわたる価値観の交流又はある文化圏内での価値観の交流を示すものである。

iv:歴史上の重要な段階を物語る建築物、その集合体、科学技術の集合体、あるいは景観を代表する顕著な見本である。

vi:顕著な普遍的価値を有する出来事(行事)、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または実質的関連がある。

参考:「公益社団法人日本ユネスコ協会連盟」世界遺産の登録基準 – 公益社団法人日本ユネスコ協会連盟 (unesco.or.jp)(2023,5,29)

 

ではどういった点が基準を満たしているのか、詳しくご紹介していきます♪

基準i:人類の創った傑作!

グアナファト大聖堂

グアナファトには、世界で最も美しいバロック建築がいくつもあります。中でも、ラ・コンパニーア教会 (1745 ~ 1765 年) とラ・バレンシアーナ教会 (1765 ~ 1788 年) は、メキシコのチュリゲレスコ様式の秀作と言われています。

技術史の分野では、高さ 600 メートルを突き抜ける直径 12 メートルの坑道「ボカ・デル・インフィエルノ」など、ユニークな芸術的成果も評価されています。

ラ・バレンシアーナ教会は銀鉱山の付近にあり、黄金で装飾された教会内は圧巻の迫力です…教会を訪れる際はぜひ銀鉱山ツアーに参加してみてください^^かつての過酷な労働環境を知ると、さらに感動すること間違いなし。

基準ii:文化的価値観の交流

グアナファト大学

グアナファトは、16 世紀から 18 世紀にかけてメキシコ北部のほとんどの鉱山都市に影響を与えてきました。街の工業化が遅れているように見えますが、技術史におけるグアナファトは世界的に認められています。様々な様式を用いて建てられた建築物からも文化の交流が濃密に行われていたことが分かりますね。

基準iv:世界的な建築様式&科学技術

フアレス劇場

グアナファトの建築は、産業を組み込んだ建築アンサンブルの優れた例です。基準iで紹介した教会以外にも、新古典主義建築のグアナファト大学やフアレス劇場、街の中心地に位置するバロック様式のグアナファト聖母教会など、高い技術と銀山で得た莫大な富から築き上げられた美しい建築物が密集しています。

基準vi:歴史的出来事と結びつく遺産

グアナファトは世界経済史、特に18 世紀の経済史と直接かつ具体的に結びついています。銀山の開山に伴い都市化が進み、様々な伝統、芸術、思想が生まれました。全盛期はスペイン植民地で最も豊かで裕福な都市の1つだったそう。街の随所からその名残を見て取れます。

まとめ

グアナファトで目立つ建築物や有名な観光地は、歴史的繋がりが強く世界的にも評価されたものばかりです!カラフルでコロニアルな街並みを楽しみながら遺産を散策しましょう♪

より深く歴史や遺産の繋がりを知りたい方はツアーに参加するのもいいですね。

他にも見どころ満載の観光地を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

また、グアナファト大学があることから親元を離れて一人暮らしやシェアハウスを行っている学生も多く、学生の街とも言われています。日本語を学んでいる学生も300人ほどおり、留学にもとてもオススメ。

 

投稿者:川越

立命館アジア太平洋大学2回生(休学中)

ヒラソル インターン生

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